企業探訪

企業探訪 vol.041
株式会社池田自動車鈑金塗装(秋田地区会)
社員がこの会社で働いてよかった!と感じられる会社を目指して!
【2017年10月】今月の企業探訪は、秋田地区会員㈱池田自動車板金塗装、代表取締役の池田雄紀さんを取材してまいりました!

だいたい1万円くらいだ!

 ㈱池田自動車板金塗装の創業は昭和44年。現在の代表取締役の池田雄紀さんの父が創業者です。創業以前はトヨタのディーラーに勤務しておりましたが、昇給が少なかったことと、「これからは車社会だ!」ということで、当時はこの辺になかった自動車板金・塗装屋をはじめることにしたそうです。
 雄紀さんはこどもの頃はあまり車には興味がなく、また母親は「有機溶剤を使う仕事」ということもあって、仕事は継がせない意向でした。子どもの頃の父親の仕事の印象を振り返り、【お客さま第一主義、また人が良かったのでしょうか、訪れるお客さまに対して「いくらで直るか?」という質問に、「だいたい1万くらいだ!」と答える父とその様子を真似る兄】を懐かしく語られました。雄紀さんは「野球大好き少年」として「名門秋商」での野球人生を歩みました。また趣味はスキーだったそうです。

憧れていた東京へ「Learn English」

 高校の時は英語の成績が良く、都会への憧れもあって東京の英語の専門学校へ。将来は英語を活かした職業へつきたいと思うように。専門学校を2年で卒業し、兄がホテルマンだったことと、少しでも英語を活かせる職業へということでホテルに就職し、そこで4年間勤務します。しかし英語への本格的な道をあきらめられず、英語の勉強をするためカナダに1年間留学します。(趣味のスキーもできるので)

「Go to Canada」

 ワーキングホリデービザを取得しカナダで働きながら「英会話学校」に通いました。冬季はスキー場で「新婚旅行」などのカメラ撮影を行っていたそうです。「スキーで滑りながら撮影してました。」と笑って語る雄紀さん。しかし雪のある季節を終えると働く場所は一気に狭まりました。「板前」「修理工」「ペラペラの通訳」。そんな中「やはり手に職がないとなぁ~」と感じながら、ふと父親の仕事が頭に浮かんだそうです。
 「親父!俺実家さもどって仕事手伝う!」と父に電話をかけて、東京の職業訓練校で2年学んだのち実家に帰り、今の職業につかれたそうです。

働きづめの毎日は社員を不幸に

 もどってきた当時は、父・兄・雄紀さんの3人で家業を切り盛りすることに。兄は5年くらいしてまたホテルマンとなり、それから5年間は父と二人で板金塗装。10年くらいで社員さんが入り、「あっという間に21年が過ぎました。」と振り返られました。
 お客さんから喜んでもらうために、年間360日働き、工場で寝ることもしばしば。もちろん社員さんも残業・休日出勤が多く、「社員をモノのようにあつかっていた。とんでもない経営者だった」と後悔の念を語られました。

第8期経営指針を創る会を受講

 2年前、第8期経営指針を創る会を受講。今までお客さまのことだけを考え、社員の人生を全く考えていなかった自分に気づき、「社員にとっても良い会社を創ろう」と心に決めたそうです。今では朝6時から午後6時までの営業時間ですが、交代制にすることと、納期を延ばすことによって、一人ひとりの労働時間は短くしているとのこと。
 また丁寧な接客を心がけ、どう直したかを明確にするために写真を添付した報告書をお客さまに提出するなどの丁寧な対応でお客さまから「信頼」を得ながら、他社ではもっていない設備を充分に活かし、扱う台数を増やし利益を伸ばしているそうです。

経営の目的が変わった!

 「雄紀さんの経営の目的は何ですか?」私たちの問いに迷うことなく答えました、「お互いが幸せになることです」。今までお客さまばっかりに目を向けていた雄紀さんは、同じだけ社員のことを想い経営されていることが伝わってきました。社員さんが「池田自動車板金塗装」で働いてよかったといってもらえるように、これからも良い会社づくりに挑戦し、息子にも「お父さんの仕事がやりたい!」といってもらえるように事業を育てていきたいと締めくくられました。
取材・文/二方淳介(太陽印刷㈱専務取締役)
堀江牧弘(㈱ホリエ 取締役)
会社概要

㈱池田自動車鈑金塗装
〒010-1434 秋田県秋田市仁井田蕗見町10-9
TEL018-839-2613 FAX018-839-2918

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