企業探訪
企業探訪 vol.013
日本精機 株式会社(秋田地区会)
地下資源開発のプラントに実力を発揮!その秘密に迫る!
【2015年7月号】今月の企業探訪は秋田地区です。秋田市川尻町でメカトロニクス・プラント事業で活躍している日本精機㈱を小グループ活動で訪問。時代の要請に応え続けている会社はどんな取組みをしているのか?生産本部の三浦部長にお話を伺ってきました。
会社の起こりは?どんなことをしているの?
日本精機㈱は、1940年東京都港区で工作機械メーカーとしてできた会社。1945年に国内石油資源に協力するという使命を帯びて、秋田市牛島地域に疎開。1つは国内唯一の石油、天然ガス生産生産装置の専門メーカーとしてプラントならびに機器の研究開発。もう1つは従来からの工作機械・精密機械を手がける。この2本柱ではじまったのが会社の起こりで、今では売上の構成比はオイル&ガス&地熱プラントが多くなっているそうです。国家資格取得者がなんと64名!(大半が2~3種所有)
会社に入ってすぐ目に飛び込んでくるもの。それは社員の顔写真入りの国家資格取得者の名前です。(右の写真)驚いたのは取得者の数である。なんと総勢64名「なぜこんなにも国家資格取得者がいるのだろう?」と思い三浦部長に質門。次のようにお話いただきました。「我々が向かうべきところはオイル・ガス・地熱プラントの分野。他の会社ではできないことに向かいました。その仕事に携わるためには、高度な技術・知識を資格が必要。そもそも資格がなければ仕事を受注することはできません。ただしその仕事をするために何名の国家資格取得者がいなければならないという取り決めはありません。それでも社員に国家資格取得に挑戦してもらっている理由は、その数がお客さまの安心につながるのはもちろん、営業のセールスポイントにもなるからです。」技能協議大会への挑戦でさらなる高みに!
「弊社では仕事とは別に技量を競う、技能競技大会への出場へも力を入れています。2015年2月に開催された、第52回ボイラー溶接士技能競技全国大会では鈴木裕樹が優勝。過去入賞者・優勝者は東証一部に上場している大手ばかり。中小企業の社員の優勝は全国でも類がなく、県内でも初めての快挙です。この大会に向かうために本人も努力をし、この受賞を通して自信や誇りにも繋がっています。また社内の中でもその挑戦する姿をみて自ら技術・知識を身に着けよう、挑戦しようという気持ちも高まっています。」私はこの話を聞いて、日本精機㈱では社員が育つ環境ができあがっていて、個人の挑戦心や頑張りが社内に伝染していくような社風だと感じました。話を聞いていくと行動規範の3つ目に「挑戦する気概」と掲げているそうです。そして規範の元、社員が実践する環境を会社が全面的にサポート。そのことが日本精機㈱の高い知識・技術を生み出し、新しい時代の要請に応える会社になっているのだと思いました。マイスター制度が技術・知識の承継を促進する
さらに驚いたのは「マイスター制度」。日本精機㈱では60歳定年で65歳まで1年ごと契約で再雇用。今まで仕事を通じ技術・知識を身に着けた社員が、ただ辞めてしまうのは会社としてもったいない。その人たちの技術・知識を次世代の社員にうまく承継する方法はないか?という思いからはじまったのが「マイスター制度」です。その詳細をお話いただきました。 「退職される社員は、それぞれが得意分野があります。その得意としている分野の名人として、社長がマイスターに任命します。任命されたマイスターは自分の技術・知識を伝えるために時には試験問題をつくり、時には講習を行う。こういった取り組みがスムーズな承継を支えることになります。」 「この制度がスタートして5年たちます。職人である社員が人に物を教えるには大分抵抗があったようです。しかし、自らの経験を伝える役割を担ったマイスターたちは今までのやりがいとは違ったものを見出し、活き活きと取り組んでいるように感じられます。」人が育つ環境が会社の力を強くする
一連の話しをお伺いして感じたこと、それは「企業力とは、やはり人の力」。技術・知識はもちろん、人間力も高まる取り組みの多さに、私自身「なるほど」と終始頷きっぱなしでした。社員の意見が経営に取り入れられる「気づき・改善シート」など、紙面では伝えきれないのが非常に残念です。興味がある方はぜひ三浦部長にお話を伺ってみてはいかがでしょうか?取材・文/二方 淳介
太陽印刷㈱ 専務取締役
太陽印刷㈱ 専務取締役
- 会社概要
日本精機株式会社
〒010-0941 秋田県秋田市川尻町字大川反170-28
Tel:018-863-1631
FAX 018-883-5027
■ホームページ:http://www.nihonseiki.co.jp
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