会社が変わったストーリー

CASE STUDY 01
SANEI KIKAI
夢ある職場づくりと
付加価値創造会社をめざして
~連携し競合しないオンリーワンの仕事づくりを~
(株)三栄機械 代表取締役会長 齊藤 民一 氏
秋田県中小企業家同友会 相談役理事
(株)三栄機械は秋田県の南部にある由利本荘市で大手航空機メーカーなどと取引をしています。地元企業と、そして、発注元の企業とも連携・協力をめざしてきたことによって付加価値の高い仕事をづくりを実現してきた歩みを紹介します。

競合しない提案型の開発

(株)三栄機械は一九七一年に創業し、従業員は八十九名の機械設計製作を行う会社です。本社のある由利本荘市は大手総合電子メーカーであるTDKなどをはじめとする企業城下町です。競合他社が多く存在する地域で、他社のやらない仕事づくりを徹底してきました。
  他社と同じものをつくるのでは、競争が激しく利益も少ない。人のやらないことをする事業分野の多角化が(株)三栄機械の強みです。その技術はトヨタ自動車東日本(株)のハイブリッド車のための生産設備の一部や川崎重工業(株)とのバイオエタノールプラントの一部設計、製作、据付、南極の昭和基地に設置する風力発電装置の製作など多岐に活用されています。
最近では特に、航空機B787の主翼製造装置やMRJの胴体組立て治具などの機体製造設備や整備器材の設計製作など、大手企業の工場の中で(株)三栄機械製の生産設備や治具などが活躍しています。それらは量産品ではなく大手メーカーの製造過程の改善につながるような開発品がメインです。顧客の創造を上回る提案型の製品づくりで付加価値の高い仕事を実現しています。
社員の能力の発揮や地域経済への貢献から「おもてなし経営企業(経済産業省)」、「地域未来牽引企業(経済産業省)」に選ばれています。

経営指針を創る会での気づき

齊藤氏は一九八七年、四十一歳で(株)三栄機械に入社、現会長であり創業者の細矢育夫氏に赤字部門を任され、黒字化を果たします。2005年の秋田同友会設立から同友会にかかわり、2009年の六十三歳で代表取締役社長に就任、同時に秋田同友会代表理事になりました。
社長就任を前に、宮城同友会の経営指針を創る会を受講。経営の本質に迫る議論の中で、企業は利益追求が目的ではなく社会貢献の中で利益が生まれていること、また、社員は会社の仕事を通して、それぞれ社会の役割を分担していることに気づきます。
毎年の経営指針発表会では十年後のビジョンについて、グループ単位で十年後のありたい姿を話し合っています。「会社の役割って何だろう」とそれぞれの役割を考えると、自社だけでは完結できないことが理解できます。そこからどこと協力しなければいけないのかと一年後、三年後まで目標が具体化されていき、進捗状況を確認してPDCAを回しています。

付加価値を生み出すのは社員

「未来は過去の延長線上ではなく、これからの行動で変わってくるもの。昨日よりひとつでもよい行動をすれば、明日はさらによい結果が待っている」と齊藤氏は話します。過去にとらわれず他社のやっていないことをする既存の形にとらわれない社風が築かれています。
(株)三栄機械では、四半期決算ごとに算定される経常利益の三五%を業績手当てとして社員に分配しています。グループごとの目標や達成率がわかる仕組みを取り入れているため、月間の加工高などの目標や達成率が一日単位で認識され、日々の仕事を社員自身がチェックできるようになっています。自己資本比率は現在40%。長い時間をかけて実現できた成果です。
「会社の付加価値を生み出すのは社員です。経営者として夢の持てる働きやすい会社にしたい」。提案型の付加価値創造型企業は自立型の社員に支えられています。
会社概要
(株)三栄機械会社概要
設 立:1971年
    資本金:2,700万円
社員数:80名
年 商:20億円
事業内容:省力化機械、産業用ロボット、各種治具工具設計製作
サイト:http://sanei-kikai.co.jp/

経営理念
私たちはもの創りを通じてお客様の求める満足に応え
それによって自己の充実をはかると共に地域社会の発展につくします
私たちは、もの創りを通じて「真の産業創造」に挑戦する企業です
私たちは、自然に調和した「真の豊かで、快適な生活」の実現で社会に貢献します
私たちは、「わくわく どきどき」する夢のある人間集団を目指します
同友会に入会して、会社が変わった「ストーリー」

  • 齊藤 民一
    株式会社 三栄機械

  • 佐藤 進幸
    有限会社 佐藤徳太郎商店

  • 有限会社 日野
    日野 亨
  • e.doyu akita
  • 同友会アプリ DOYU NAVI
  • 企業探訪
  • 中小企業家同友会 就職情報サイト Jobway