企業探訪

企業探訪 vol.024
株式会社繁田園(秋田地区会)
埼玉狭山茶発祥200年、秋田市大町で100年
【2016年6月号】秋田市大町でお茶屋さんを営む株式会社繁田園さんは、お茶一筋長年にわたり営業しています。埼玉で創業してから現在まで続く会社の沿革と秘訣を繁田満義専務にお聞きしました。

製茶で創業、地域社会への貢献活動

 十代繁田武平衛満該が武州狭山(現在の埼玉県入間郡)に文化十二年(1815)創業。十二代繁田武平満義はお茶を改良し海外輸出を始める。狭山48か村総代名主となる。十三代武平翠軒は、町長に就任。道徳を基本とし倫理経営を重んじる黒須銀行を設立する。さらに豊岡大学を開校し誰でも教育を受けられるようにしました。東北地区への狭山茶販路拡大として大正五年(1916年)、秋田市茶町扇ノ丁に秋田店を開業。現在の繁田社長は秋田店の二代目。

お茶の飲まれ方の変遷

 日本のお茶は、弘仁6年(815年)にお茶を煎じて献上した記述が残っています。日本でのお茶は薬用として利用されとても高価だったのです。栄西禅師は粉末いわゆる抹茶にして飲みやすく改良し、僧侶から武家に、民間へと広く愛好されるようになりました。
 そして、近代から現代においてお茶はペットボトルでコンビニやスーパーなどで手軽に買い求められます。急須が無い家庭もあります。一方でコーヒーや紅茶などの普及により日常でお茶を飲まない買わない人もいます。その主な理由は茶葉を入れたり捨てたりする手間が面倒だと。でもお茶が嫌いな人はほとんどいません。

繁田園の取組み

 お茶は夏に麦茶の需要が増えてやや消費が落ちますが、一年中ほぼ変動なく求められており、それだけ日本人にとってお茶は親しまれています。以前は、個人や会社様が直接お店にいらして小売りがほとんどでしたが、スーパーマーケットの登場により卸して欲しいという問い合わせが増えました。
 かつて秋田市内のお客様への利便性を高めるサービスとして本店を含め3店舗構えたり、抹茶ソフトクリームを提供するなど気軽にお茶と親しんでもらうこともしましたが、現在は大町の店舗のみで販売しています。
 また、焙ほうじ茶は番茶を強火で焙じることで独特の強い香りが出るお茶で、繁田園でも自社で焙じ茶を作っています。お店の近くにお茶の香りが漂っているのはそのためです。

おいしく飲んでもらいたい

これからの展望について繁田専務に伺いました。 「茶道というお茶の流儀や作法の世界でも根本には、お茶をおいしく淹れるためのルールがあります。ですから、日常のお茶もおいしく淹れるために最低限の知識を皆さんに知ってもらう活動をすることで、もっとみじかに気軽に飲んでもらえるようにしたい。」私も毎日お茶を飲んでいますが、おいしいお茶の淹れ方がわかりません。繁田専務からお茶の淹れ方を習って心を落ち着かせ幸せな気持ちになりたいです。 本日はお忙しいところ、ありがとうございました。
取材・文/寺田匡宏
㈾寺田屋 代表社員
会社概要

株式会社 繁田園
〒010-0921 秋田県秋田市大町3丁目3-1
TEL:018-823-1225
FAX :018-862-2335

  • e.doyu akita
  • 同友会アプリ DOYU NAVI
  • 企業探訪
  • 中小企業家同友会 就職情報サイト Jobway