店名「CROSS STAGE」の由来は？

Ｘ（エックス、クロス）をキーワードに、
●スーツ服地を意味する CLOTH（クロス）
●スーツとコーヒーを掛け合わせた（クロスさせた）ショップ
●無限の可能性を表す記号Ｘ（エックス）
未来に向かい無限の可能性を秘めたショップとなるよう思いを込めてネーミングしました。

自社ブランド販売へと踏み出した理由は？

　今年になって販売を始めたわけではなく、平成12年には工場で「ファクトリーショップ」を開始しています。当時は、知っている人だけが買いに来るという感じで、そこに力を入れていく余裕はありませんでしたが、いずれはと常に考えてきました。3年前にオーダーメイドスーツの移動販売車「テーラーメイド
カー」を開発・導入し、需要の掘り起こしをしてきましたが、お客様満足度をより高めていくために「CROSS STAGE」をオープンしました。

どのようなコンセプトのお店ですか？

　男性向けのブランド「RISSH（I リッシ）JAPAN」と女性向けブランド「WaVie （ワビ） CLASSIC」があります。「自分らしさを表現できる自分だけのスーツを楽しみたい」というお客様に向けて、若い方からシルバー世代まで自分好みの1着選びをゆったりと楽しんでいただける空間を提供しています。

自社の経営環境についてどのようにお考えですか？

　繊維業界は、昭和30年代から40年代にかけて、商社主導で人件費の安い日本各地の地方に生産拠点を展開していきました。製造会社は「如何に安く引き受けられるか」という賃加工業であり、商社や問屋との関係は隷属的であったとも言えます。
　私たちは下請け加工への依存体質からの脱却を図るため、問屋を通さず、大手紳士服販売会社と直接取引をすることに成功し、その後もパートナー企業として製造だけでなく、保管・発送・在庫管理などの物流を担い、事業を進化させてきました。
　国内市場の縮小や国際競争の激化を受け、決して楽観視は出来ない環境にありますが、大量生産の既製品で低価格競争をしていた時代は終焉を迎え、時流はオーダーメイドスーツにあると考えています。

開業してみて手応えはどうですか？

　ものすごく大きく感じています。予想以上の反響で、従来の知り合いつながりの販売ではなく、現在では半数以上は全くの新規のお客様です。6年前から秋田ノーザンハピネッツ様の公式スーツを提供させていただいているのも認知度を押し上げているように感じています。何よりも、自分たちでデザインして、作ったスーツに、自分たちが売りたい値段を付けて、それをお客様に喜んで買っていただけるというところに、社員の意識やモチベーションが大きく変わってきているように思います。

今後の展望をお聞かせください！

　事業の方向性として、製造から物流、販売・メンテナンスまでを一貫して自社で出来るという強みを最大限に活かし、個人のお客様に対しても販売後のケアとして、冬物・夏物などの保管管理・クリーニング・リペアなど、提供するサービスをもっともっと深化させていきたいと考えています。またオーダーメイドスーツに対するニーズの大きさは予想以上だと感じるとともに、私たちが有する知識と技術に対する自信を改めて確認することが出来たので、次の店舗の展開についても検討をしていきたいと思います。そして自社の事業を通して、地域に雇用の創出、人材の育成、技術の伝承をしっかりと図っていきたいと考えています。

取材を終えて…

佐々木社長と大日向店長のお二人が感じられている手応えの大きさをその表情から感じることが出来ました。経営環境をしっかりと認識しながら、強みを活かし、事業を成長させているお話を聴かせていただいてとても勇気づけられました。ありがとうございました。取材に同行してくれたグランドパレス川端の齋藤社長は「CROSS STAGE」の大ファンだそうで、私も自分だけの1着を、もう少し体を引き締めてからオーダーしたいと思います！！裁断から縫製まで全工程を自社工場でお創りする上質なオーダーメイドスーツ、まさに「メイド イン秋田」の自分だけのスーツを皆さんもいかがでしょうか。