企業探訪
企業探訪 vol.029
合同会社わかさ菓子店(県南地区会)
地域に根差した経営でストーリーのある和菓子を!
【2016年11月号】今月の企業探訪は県南地区会会員の湯沢市で創業約60年に和菓子店を営む「わかさ本店」の7専務 若狭誠一朗さんを取材してまいりました。
伝統を守る担い手
湯沢市役所近く、趣のある小路に「御菓子処わかさ」があります。初代は、佐竹藩が秋田へと伴った商人のおひとりであったという長い歴史を持つ若狭さんです。湯沢の銘菓を作り続け、初代から数えて7代目になる若狭専務は、お店のショーケースに並ぶ美しい和菓子を作る職人さんです。お店はお菓子職人であった祖父が約60年前に創業、若狭専務は約4年前に修行を終え帰郷され、現在は職人であるお父様と若狭専務、店頭に立つお母様、パート従業員2名、計5名でお店を運営されております。新たなるチャレンジ
帰郷してから数年間、この地域にはあまり見られないお菓子を作ろうと、商品開発に取り組まれました。店頭に美しく並べられた上生菓子にはとても繊細な細工が施され、色彩、ネーミングからも、まさに五感で楽しむ芸術作品です。お茶席では濃茶( こいちゃ) のお菓子として用いられます。季語をモチーフにしての創作活動など意欲的な取り組みをし、昔ながらの素朴なお菓子、伝統的な味を守りながらも新たなチャレンジをされていました。年間商品としては約20種類、期間限定商品は6~7種類です。イベント時にはイベント専用のお菓子を作ることもあります。注文により製作するお誕生日和菓子ケーキの楽しさには感動しました。販路拡大への取り組み
商品開発と共に販路拡大へのチャレンジをされ、現在は本店の他に「羽後町道の駅」「湯沢イオン」「十文字ラッキー」でもご購入いただけるようになりました。昔ながらの顧客様、そして新規のお客様にも喜ばれるお菓子を作っていきたいとおっしゃいます。ふるさとの代名詞となる和菓子を
ストーリーのある和菓子作りをすることでお客さまに喜んでもらいたいという思いと共に、そこに使われる材料の調達方法についても触れられました。この地域には農産物が豊富にあります。果樹農家さんも多いので出来るだけ地元農家さんから地場の食材を調達したいと実践しているそうです。
湯沢は地熱発電を開発している真っ最中です。そのエネルギーを利用して作られたサクランボの加工品などがありますが、そのような加工技術についても今後勉強していきたいと意気込んでいます。
会える目標がいる同友会
子供の頃、夏休みに芋の皮をむいたりと手伝いをしていたという親孝行の若狭専務。お父様の仕事を幼少の頃から肌で感じて育ったそうです。これまでこの仕事を続けてきてくれたご両親への優しい想いと、仕事に対する情熱をお話しいただきました。「同友会に入会し、異業種の方のお話を聴くことで学び、本や映像ではなく現実として見える目標が近くにいるということが大きな刺激になっています。これからも共に学び合い成長していきたいと思います」。
取材・文/樋渡 美紀子
㈲中野繊維 常務取締役
㈲中野繊維 常務取締役
- 会社概要
合同会社わかさ菓子店
〒018-0402 秋田県湯沢市北荒町2-3
TEL・FAX 0183-73-8070
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