企業探訪
企業探訪 vol.051
合同会社ダイセン創農(大仙美郷地区会)
『見える化による信頼』をモットーに農業の6次産業化に挑む!
【2018年8月】6月27日(水)、大仙美郷地区会では訪問見学会を行いました。時折り激しい雨が降る最中、6名が大仙市中仙にある合同会社ダイセン創農を訪ねました。こちらは『毎日がとまと曜日』の商標で有名な、トマトのストレートジュースを製造販売している会社です。平成27年4月創業以来、100%国産しかも100%地元産トマトを収穫、搾汁、加工、販売と6次産業化法人として毎日お忙しくしていらっしゃいます。事業統括の鈴木等さんにいろいろとお伺いして参りました。
夏には40,000本の苗から240トンのトマトを収穫!
会社に到着するなり向かったのは、トマトが栽培されている広い圃場。3.4h が自社圃場で、65a が契約農家さんで生産されており、苗の数はなんと!40,000本です。生産量は合わせて240トン( 現状、1年間のトマトジュース出荷量をクリアできる量) とのことです。秋田の農業のトマト栽培は生食用が主ですが、昔ながらの味わいなど調査、試行錯誤しながら、加工用の品種「なつのしゅん」を作付けしています。収穫は8月上旬から9月中旬まで続き、アルバイト、高校生、70歳以上の高齢の方など、収穫を競いながら生き生きと働いてくださるそうです。将来、沢山の地元雇用の可能性を創出したいとお話ししてくださいました。新鮮な状態で加工できる!我が社の強み
圃場をあとに『道の駅なかせん』内、左側ウィングに設置された処理加工施設を見学しました。外部に直接開かれた完全ガラス張りの工場でお客様を拒むことなく『見える化・オープン化』され、高度な技術、品質・安全の管理体制は100パーセント公開されています。真っ赤に完熟したトマトを収穫後( 選別は厳しく) は、とにかく早く「トマトをしぼる」ことがダイセン創農さんのこだわりです。「新鮮さ」が品質の良し悪しに関わりますので「美味しさ」と「品質の安定」には譲れない基本姿勢であることが伺えました。ですから当然、添加物(塩分も糖分も香料等)は必要ないのです。そのため、トマトの作付け圃場は加工処理施設から5キロ圏内にあることが絶対条件なのです。製造工程に於いても、大切な洗浄、殺菌工程に薬品・洗剤を一切使用せず、「電解水」を効率的に利用し、製品の成分と微生物検査を確実に行いながら、品質と食品安全を管理した製品化で、健康と安全性には留意していました。「電解水」は、容器、器具、施設内のクリーニングにも採用されるなどの徹底ぶりです。また、トマトの廃棄物は提携工場で有機肥料として再生され土に帰しています。このようにして生み出されたのが「秋田県産100%・無添加」ネーミング爽やかに『毎日が とまと 曜日』です。
秋田の農業の可能性を牽引していける企業に
秋田県農産物を、見えるオープンファームにて栽培し、秋田県内の見えるオープンファクトリーで完全加工する。即ち『秋田県100%』と見える化』はダイセン創農さんの最大の特徴であると思います。鈴木さんは「働く人が仕事の表舞台に飛び出して多くの人に活躍を見ていただければ個々人のスキルは一層向上し、信頼される商品を製造する工程を見ていただければ働く意欲は社会貢献する喜びとなるのでは」とおっしゃいます。「この事業を秋田で興し、地元秋田のためになっていることが嬉しいです」と繰り返されました。見学後の参加者との懇談の中で、『搾る』という強みを生かした商品開発には是非、ソースよりトマトケチャップをお勧めしたいと会員のスーパーさんから、お客様の消費状況を踏まえた要望が出されたり、販路拡大への策についての質問が出されたりと、鈴木さんが考えている計画に、会員が協力できることがあったら応援していく姿勢もお伝えしながら見学を終えました。
秋田の農業の6次産業化に挑戦するダイセン創農の未来は秋田の農業の可能性に、そして労働環境の拡大に大きな期待と夢を抱くことができました。「健康・元気・幸福」をモットーとした企業姿勢で『毎日がとまと曜日』以外の、オーガニック食品、完全無添加食材などの関連商品を生み出し、多くの消費者に愛されて欲しいと思いました。
取材・文/越中 奉
㈱秋田精巧堂 代表取締役
㈱秋田精巧堂 代表取締役
- 会社概要
合同会社ダイセン創農
〒010-0000 秋田県大仙市長野字高畑95 番地1 道の駅なかせん
TEL:0187-49-8250 FAX:0187-49-8251
農産物栽培, 農産物加工、農産物・加工品の販売ほか
PICK UP /ピックアップ