企業探訪

企業探訪 vol.027
藤直物産有限会社(男鹿南秋地区会)
これからは燃料提供だけでなくサービスステーションとしての役割を求められている
【2016年9月号】今月の企業探訪は、男鹿市の船越バイパス沿いでガソリンスタンドを営む藤直物産(有)さんを訪問して参りました。会員の監査役である藤原光洋さんは後継者でもあり入社14年目の現在33歳です。後継者としての想いやこれからの事などお話し頂きました。

家族経営でフルサービスを365日提供

 藤直物産㈲は、1972年(昭和47年)藤原さんの祖父が燃料油の需要が多くなることを見込んで創業され、その後叔父様が2代目、現在はお父様が3代目を引き継ぎ、藤原さんは4代目の後継者として会社に携わっています。社員は、光洋さんの他にお母様と、奥様、パート社員の総勢5名。家族経営のガソリンスタンドとして年中無休( 正月三が日を除く)、しかもフルサービスを提供し日々頑張っています。藤原さんは大学に進学されたそうですが中退され自社へと入社。家業を継ぐということに何のためらいも、戸惑いも無く、『いずれは自分が継ぐ会社だから』という思いで入社を決意されたそうです。
 経営の方は社長であるお父様が担っており、光洋さんは現場優先で日々奮闘しています。その中で自社の課題やこれからの事をお話し頂きました。

人員募集をしても反応なし

 課題の一つは、社内の人手不足ということでした。現在、奥様は第3子を出産し育児に専念中と言う事で実際はご両親と光洋さん4人で仕事をこなしている状況との事です。誰か一人でも携わることが出来ない事態になると支障をきたしてしまうという大きな課題に直面しています。今はまだ灯油の配達が頻繁にない分、こなせてはいるそうですがハローワークに募集をしても、音沙汰がないのが現実との事です。冬になる前の緊急な課題でもある為、社長と検討している最中との事でした。

新しい御客様の開拓へ

もう一つは、新しいお客様をどう開拓していくかだそうです。男鹿市も、人口減少は否めず、また高齢化に伴い車を手放してしまう方も少なくないといいます。また、車のハイブリッド化、低燃費化が主流となり、足を運んで下さるお客様も減っているとの事でもあります。しかし、現状を分析してみると、結構釣りをされてくるお客様のご利用が多く、この方達への洗車は潮風にさらされてくるため、入念な洗車だそうです。
 せっかくお立ち寄りになるので更にサービスとして釣り情報の提供や、観光客の皆さまには、藤直オリジナルの観光パンフレットも面白いと、考えてはいるようですが、現実のものにならず。「人手がない」ことに行きついてしまうといいます。

自社はこれでよいのか…?

 それにはやはり、『人を採用出来る体制づくり』が欠かせないと、同友会に参加している中、気づかれつつありますが、なかなか学んだことを自社にフィードバックすることが出来ずにもがいてもいる所でもあるようです。そのことを考えると自社が本当に365日休みなしの経営スタイルでよいのか、就業規則はどうあるべきかと、真剣に考えて取り組んでいく必要性に今立っているとの事でもありました。

自社の役割を考える

競業他社がひしめく合う中で、藤直物産としての自慢をお聞きすると、「他社がセルフサービスに切り替えつつある中、給油、洗車など1台1台丁寧な作業を基本として続けていること」と話されます。時代や車の性能が変化してゆく中で、「燃料提供だけでなくサービスステーションとしての役割の提供が益々求められるのかな」と今後の抱負を語って下さいました。
 
取材・文/宮崎 健
㈱アクネス・シモマ 代表取締役社長
会社概要

藤直物産有限会社
〒010-0341 秋田県男鹿市船越字一向64-1
TEL: 0185-35-226
FAX :0185-35-3146

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