企業探訪

企業探訪 vol.028
秋田マテリアル株式会社(秋田地区会)
『循環型社会の構築』の夢の実現に貢献したい!
【2016年10月号】秋田県南西部にある「にかほ市」は人口約2万5千人。TDKの企業城下町として知られ、関連した企業が集積している地域でもあります。今回訪問した秋田マテリアル㈱は、主に金属、プラスチック等の再生資源の回収、加工、販売をしている会社です。社員皆さんが作業の手を休め、さわやかな挨拶でお出迎え下さいました。

リサイクル業を担う

 秋田マテリアル㈱は、2007年( 平成19年) に那須マテリアル㈱の関連企業として設立された会社です。社長の佐藤佑介さんは、2009年、24歳で入社。2014年に専務取締役に。そして昨年の2015年11月に代表取締役に就任し、もうすぐ丸1年を迎えようとしています。創業当初は、コピー機に使用される廃トナーや廃トナーカートリッジのリサイクルを主な業務としていましたが、現在は、主に地元のにかほ・由利本荘市内の企業から排出される金属類(非
鉄も含む)や、廃プラスチック類のリサイクルを主な業として経営を担っています。回収した廃棄物の解体・分別は(主に空き缶やアルミ缶)地域の福祉施設の方達に作業して頂き、プレスした状態で買い取る形をとっています。

会社を盤石なものに

今年の春、初めて障がい者施設の皆さんと一緒にリサイクル作業への取り組みをアピールするイベントを自社の敷地を利用して行ったそうです。「色々な企業の経営者の方にも参加して頂き、障がいを持った方達の素晴らしい能力を発見して頂き、就職につながる場になり得たらという想いがあってのこと」と。「あまり人を集められなかったけれども、これからも続けていきたいと思っている」とおっしゃいます。 しかし、佐藤社長は自社の未来像をリサイクル業だけに留めず、先を見据えています。なぜなら金属リサイクル(スクラップ業)は、会社でなくとも運搬車があれば個人でも参入できる業種である為、差別化も厳しいということ。またリサイクル品として売買するスクラップ類などの価格は世界経済の動向に左右されるという不安定要素を伴っているということからも、今の業務の他に更に2本の柱を立て、3本の柱で会社を盤石なものにとの構想を抱いています。

未来の子どもたちへ“人育て”の一助に

2つ目の柱をと考えているのは、部品のリユース(再利用)。金属加工業が多い土地柄、試作品として用途を終えた廃棄物が多く、その中の部品にリユース価値があるのではと考えました。しかし、自社ではどの部品が価値あるものか、わからないこともあるとのこと。そこでその分野に特化している一般の方や学校関係者や学生達に、多く足を運んで頂ける場を提供したいと考えているのです。まだ使える部品がどのような製品を作るために使用されてたのかをフィードバックしてもらい、新しい事業の仕組みづくりに役立てていきたいといいます。更にもう一つのねらいとしては、学生達にモノづくりを身近に感じてもらい、その楽しさを味わってほしいとのこと。そのことで、将来モノづくり産業の技術者として秋田の地で活躍してくれればという“人育て”の願いが込められていました。

自社からのゴミ排出ゼロを目指したい

 そして3つ目は、廃棄物固形燃料化への挑戦です。紙や木、廃プラから製造された固形燃料RPF を製造し、自社からのゴミの排出ゼロを目指す。これには新たな資格取得と専用の設備が必要になるとのことですが、『循環型社会の構築』という大きな夢を描くには欠かせない事業とのこと。 先月、全県例会で㈱ヨコヤマコーポレーションの報告を聴き、企業理念の重要性に感銘を受けたとのことでした。
 自社の『循環型社会の構築』の実現を!という信念の下で、果敢に挑む佐藤社長の覚悟と情熱を感じられた企業訪問でした。
取材・文/長坂 博行
㈲都市クリエイティブ 代表取締役
会社概要

秋田マテリアル株式会社
【本社】〒018-0402 秋田県にかほ市平沢字深谷地16 番地8
TEL:0184-74-5277
FAX :0184-74-5278
ホームページ:http://akita-material.com

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