お知らせ

中小企業家同友会全国協議会(中同協)が新型コロナウイルス感染に関する第3次緊急要望・提言を政府に提出しました

2020年4月22日

中小企業家同友会全国協議会(中同協)からの、新型コロナウイルス感染に関する第3次緊急要望・提言を政府に提出したお知らせを掲載します。

 

【20.04.20】新型コロナウイルスに関する第3次緊急要望・提言を提出

新型コロナウイルス感染拡大による中小企業への甚大な影響の広がりを踏まえ、中同協では4月20日に「中小企業の倒産・廃業を避け、雇用と日本経済を守るために~新型コロナウイルスに関する第3次緊急要望・提言」を国会議員や中小企業庁に届けました。

PDF版は下記をご覧ください。
・中小企業の倒産・廃業を避けるために 新型コロナウイルスに関する第3次緊急要望・提言(PDFA4サイズ・3P)

 

【第3次緊急要望・提言】

2020年4月20日

各位

中小企業家同友会全国協議会 会長  広浜 泰久

中小企業の倒産・廃業を避け、雇用と日本経済を守るために

新型コロナウイルスに関する第3次緊急要望・提言

 

 私たち中小企業家同友会全国協議会[略称・中同協]は、1969年(昭和44年)設立以来、自助努力による経営の安定・発展と、中小企業をとりまく経営環境を是正することに努めて参りました。

 新型コロナウイルス感染症の拡大は、「大恐慌以来」とも言われるほど、各業界に未曾有の規模で極めて深刻な影響を与えており、多くの中小企業が倒産・廃業の危機に追い込まれる切迫した事態となりつつあります。4月16日には全国に緊急事態宣言が発令され、一層経済の収縮が強まることが見込まれます。このままでは多くの雇用が喪失し、日本経済が崩壊の危機に直面する恐れがあります。

 当会では、3月4日および3月31日の2回にわたって緊急要望・提言を発表して関係省庁・各政党などと懇談を行ってきましたが、多くの中小企業の経営は急激に悪化しつつあり、まさに瀬戸際に立たされています。中小企業経営者の経営意欲を喪失しないよう新たな政策を大胆に構築し、即実行することが求められています。そうでなければ国民の暮らしと生命は守れないという、まさに今「緊急事態」にあります。雇用と地域社会を守り、日本経済崩壊の危機を防ぐためには中小企業の維持・発展が不可決であり、私たちは下記のような政策の実施を緊急に求めるものです。関係各位の早急なご協力、ご支援をお願いします。

《Ⅰ.緊急対策》

1.自粛・休業による売上減少などに対する補償

感染拡大を防止するためにも、自粛要請や休業要請は補償と一体となっていることが必要である。自粛・休業要請などにより生じた企業の売上減少などの損失に対して、国としてしっかりと補償を行うこと。影響の長期化が見込まれる中、持続化給付金を期間に応じて拡充するなど、あらゆる手立てを尽くして中小企業や雇用を守ること。地方創生臨時交付金を増額し、地方の実情に応じて柔軟に活用できる制度とすること。

 

2.企業の倒産を防ぐための対策

(1)永久劣後ローンの活用

売上高急減などで自己資本の多くを毀損した中小企業に対しては、資金繰り支援と併せて資本増強策が必要である。永久劣後ローンの活用を進めること(返済の優先順位が一般債権に劣後する借入金であり、議決権も返済期限もない。余裕ができた段階で返済する制度)。対象企業を決める際は、その企業と取引のある地域金融機関の紹介・推薦を条件とし、不適切な企業に資金が流れるのを防ぐ。金利は当初は無利息とし、支援先企業の経営安定化に伴って順次金利を引き上げる。[1]

(2)既往債権の支払猶予の徹底

中小企業金融円滑化法を再度制定するなど、既往債権の支払猶予の申し出があった場合、原則として応じることを徹底すること。リース料についても同様とすること。既往債務の条件変更を行った企業に対し、格付け変更など不利な扱いをしないことを徹底すること。

(3)現金払いの徹底、ファクタリング事業者への上限規制

大手企業の下請企業などに対する代金支払いは、手形ではなく現金とすることを徹底すること。売掛債権の現金化を前倒しで行うファクタリング事業者に対し、手数料上限の設定を行い、中小企業者の手元現金を目減りさせないよう取り計らうこと。

(4)緊急融資制度などの利息の見直し、要件の緩和

緊急融資にあたっては体制の強化、迅速な対応、手続き・審査の簡略化を徹底すること。無利息・無担保の緊急融資制度は、3年間は無利息だがそれ以降の金利が相当な金額になる。4年目以降も含めて完全無利子の制度とすること。また、多くの融資制度や助成金について、多くの場合、売上の前年または前々年対比減が条件となっているが、前年・前々年の売上が特殊要因などで非常に低かった企業は適用外となってしまう。多くの中小企業が利用できるように、一層柔軟に対応すること。

(5)固定費削減の支援

固定費負担を軽減するため、家賃の支払い猶予や減額の実施を法制化などにより促進すること。その際は、不動産所有者に対して猶予や減額の状況に応じて固定資産税や法人税、消費税の減免、借入金の返済猶予などを行うこと。社会保険料については、猶予制度はあるが次年度は2年分の支払いが大きな負担となる。猶予でなく、免除制度を設けること。

 

[1] 日本経済新聞2020年4月3日「中小企業支援、永久劣後ローンで5兆円用意を」三井住友信託銀行名誉顧問 高橋温氏。「スモールサンニュース4月号・号外」立教大学名誉教授 山口義行氏。

 

3.雇用を守るための対策

(1)雇用調整助成金の強化、つなぎ融資の創設

上限の引き上げ、短時間休業の要件緩和など、一層の強化を図ること。申請をより簡便にし、迅速に助成できるよう体制を強化すること。また申請企業について、助成金が出るまでのつなぎ融資を地域金融機関の窓口を活用して、迅速に受け取れる制度を創設すること。

(2)失業給付の柔軟な運用

昨年の台風第19号に伴う特例措置と同様に、実際に離職していなくても、または再雇用を約した一時的な離職の場合であっても、労働者が失業給付(雇用保険の基本手当)を受給できるようにすること。

(3)社内での感染者・濃厚接触者発生時の対応支援

①社員に濃厚接触者が出て休業させた場合の賃金に対する助成金を設けること。

②社内に陽性判定者が出た場合の対応ガイドラインを作成し公表すること。併せてチェックシートなどを示し、事前の対策を中小企業に促すこと。

③保健所の体制を抜本的に強化し、地域での感染者の対応等に必要な人員などを整えること。企業内で感染者が出た場合、保健所が取引先などに聴き取りを行う際は、事前に当該企業に連絡するなど協議しながら対応を進めること。

(4)働く人の安全・生活安定のために

①大手企業に対して、取引業者の社員の安全を守るため不急の納期は延期を宣言するように促すこと。

②休業等により賃金減となった社員に対し、住宅ローンや奨学金返済について支払い猶予制度を設けること。

(5)テレワークの導入支援

中小企業が、休業もしくはテレワークを検討する際のフローチャートやガイドラインを早急に整備し、公表すること。テレワークのためのハードやソフト導入に対する助成制度をさらに充実させること。

(6)補助金、許認可などでの柔軟な対応を

①ものづくり補助金について、提出書類の中に事業場内最低賃金で働く従業員の氏名・捺印の欄があるが、本人および社内で最低賃金である者が特定され、悪影響をもたらすので氏名・捺印を不要とすること。また「事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させる」ことが要件となっているが、コロナショックの影響を鑑み、要件を緩和すること。

②中小企業の派遣会社は、今回の影響により派遣免許の資産要件基準のクリアが厳しくなる会社が増えると思われる。派遣許可の更新ができず廃業になり派遣スタッフが失業することのないよう、派遣許認可の更新に特例措置を設けること。

 

《Ⅱ.経済対策、今後の対策》

1.消費税の減税・インボイスの導入見送り

景気の大きな減退が予測される中、消費を喚起し、日本経済の立て直しを図っていくために、消費税減税を行うこと。その際には、中小企業のレジ設定や料金表・ホームページ改訂など必要な対応を支援すること。中小・小規模事業者の死活問題である適格請求書等保存方式(インボイス)の導入を見送ること。

2.長期を見すえた対策を

新型コロナの経済的影響は長期にわたることが予想され、それを見すえた対策が求められる。収束に向かう際は、各フェーズにあった政策を実施し、地域経済を守り、中小企業・小規模企業を守る政策を進めていく必要がある。経済回復期にあたっては、①長期間休業を余儀なくされた企業の事業復旧に対する支援策を設けること、②新型コロナに関する借入金の返済について返済金額を税法上損金算入できるようするなど、負担を軽減する施策を実施し、中小企業の立ち直りを支援すること。

以上

2020年4月20日
中小企業家同友会全国協議会
会長  広浜 泰久

中小企業家同友会全国協議会 https://www.doyu.jp/

【20.04.20】新型コロナウイルスに関する第3次緊急要望・提言を提出 https://www.doyu.jp/news/200420-165937.html

 

会員のアスカ人事労務パートナーズ 高橋 一貴社会保険労務士から雇用調整助成金の申請書類の書き方を解説した動画をお知らせいただきました

2020年4月20日

会員のアスカ人事労務パートナーズ 高橋 一貴社会保険労務士が、雇用調整助成金の申請書類の書き方を解説した動画を制作されました。

「この動画で秋田の中小企業が生き残り、ひとりでも多くの雇用が守られることを願います。」とのお言葉とともに、書類作成動画をお知らせいただきましたのでご紹介いたします。

【新型コロナ】雇用調整助成金-申請書類の書き方【90分で完成】

https://youtu.be/l9BF0tVLBVg

 

中小企業家同友会全国協議会(中同協)が新型コロナウイルスに関する第2次緊急要望・提言を提出しました

2020年4月2日

中小企業家同友会全国協議会(中同協)が新型コロナウイルスに関する第2次緊急要望・提言を国会議員や中小企業庁に提出したお知らせを掲載します

【20.03.31】新型コロナウイルスに関する第2次緊急要望・提言を提出

新型コロナウイルス感染拡大による中小企業への甚大な影響の広がりを踏まえ、中同協では3月31日に「中小企業の倒産・廃業を避けるために~新型コロナウイルスに関する第2次緊急要望・提言」を国会議員や中小企業庁に届けました。

詳しくは下記本文をご覧ください

中小企業の倒産・廃業を避けるために 新型コロナウイルスに関する第2次緊急要望・提言(PDFA4サイズ・2P)

【第2次緊急要望・提言】

2020年3月31日

各位

中小企業家全国協議会

会長 広浜 泰久

中小企業の倒産・廃業を避けるために

新型コロナウイルスに関する第2次緊急要望・提言

私たち中小企業家同友会全国協議会[略称・中同協]は、1969年(昭和44年)設立以来、自助努力による経 営の安定・発展と、中小企業をとりまく経営環境を是正することに努めて参りました。 今回の新型コロナウイルス感染症の拡大は、あらゆる地域や業界に深刻な影響と大きな打撃を与えており、 多くの中小企業が倒産・廃業に追い込まれる切迫した事態となりつつあります。 当会では、3月4日に緊急要望・提言を発表して関係省庁・各政党などと懇談を行い、その一部は政府の「緊 急対応策・第2弾」にも反映されました。しかし、多くの中小企業の経営はまさに瀬戸際に立たされており、 一層の支援策が早急に必要となっています。 私たちは、国民や地域と共に歩む中小企業家としてその社会的責務を果たし、日本経済と中小企業が発展で きる環境をつくるために、下記のような政策の実施を緊急に求めるものです。関係各位の早急なご協力、ご支 援をお願いします。

《Ⅰ.緊急対策》
1.中小企業をつぶさない強い覚悟と決意を

 さまざまな経済・社会活動の自粛が相次ぎ、多くの中小企業が深刻なダメージを受けている。中には倒 産・廃業の危機に瀕している企業もある。政府として1社もつぶさない覚悟と決意で臨んでいただきたい。 中小企業の社会的・経済的役割などを示しながら、政府として改めて「中小企業を守る」「一人にしない」 ことを関係機関・地方自治体などに宣言し、中小企業支援施策の意義を全体に徹底するとともに、思い切 った大規模な経済対策を速やかに実施すること。業種別、業界ごとに的確な経済対策を講じること。

2.徹底した資金繰りの支援を

 売上減などの影響を受けた中小企業の最も緊急な金融支援は疑似資本の供給であり、第一に既往債務の 「返済凍結」、第二に「手形貸し付けの拡充」、「当座貸し越し枠の拡大」を金融機関に促すとともに、窓 口体制の強化、迅速な対応、手続き・審査の簡略化を徹底すること。窓口体制強化の一つとして代理貸付 の仕組みを検討すること。次に、景気の見通しが立たない中、融資をこれ以上増やすことは困難な企業も 少なくない。借換保証制度を抜本的に拡充し、複数の返済の一本化、据え置き期間の延長などを可能とす ること。既往債務の条件変更を行った企業に対し、格付け変更など不利な扱いをしないこと。また、今後 の売上を確保するため、販路開拓などを支援する助成金制度を創設すること。

3.返済不要の給付金の支給を

 ドイツは「私たちは誰も一人にしない」というタイトルで中小企業への緊急支援策を発表した。従業員 10 人以下の企業などを対象に、3 カ月間で最大 9,000 ユーロ(日本円約 110 万円) ~ 15,000 ユーロ(日 本円約 180 万円)の返済不要の給付金を支給する。日本でも中小企業を対象に同様の制度を創設すること。

4.公正な取引条件の確保、現金支払いの徹底

 新型コロナウイルス感染症の影響など、やむを得ない理由により納品の遅れなどが生じた中小企業に対 して、親事業者が損害賠償請求を行うなどの優越的地位の濫用を行わないよう、ガイドラインを整備する こと。大手企業の下請代金支払いを手形ではなく現金とすることを徹底すること。

5.雇用調整助成金の抜本的な拡充

 雇用調整助成金については、経済悪化の深刻さを踏まえ、対象の拡大、支給限度日数の延長、助成割合の引き上げ(10分の9)など抜本的に拡充して雇用を守ること。東日本大震災時と同様に、最近1カ月 の生産量、売上高等がその直前の1カ月又は前年同期と比べ5%以上減少していれば対象とすること。ま た一定期間については、1カ月の生産量などが減少する見込みでも対象とすること。

6.社会保険料や税金の減免

 地域経済の崩壊・底割れを防ぐため、売上減少などの影響を受けた企業に対し、社会保険料の免除や固 定資産税・法人税等の減免または納税猶予の特例措置を実施すること。

7.学校や公共施設の休業などによる突然の取引停止状態となった中小企業への補償

 感染拡大防止の一環として、政府や自治体の突然の判断により、学校や公共施設が休業となり、中小企 業が納品を予定していたものがキャンセルされる事態がある。一部の自治体ではその補償を行っているが、 全ての自治体でも行うように支援すること。

8.衛生用品の市場への流通確保

 マスク等の衛生用品が不足し、企業の業務にも支障をおよぼしている。政府等の備蓄品を開放するとと もに、増産・供給体制を支援し、必要な業界には優先的に流通するような仕組みをつくること。

9.働く親の子育て支援~安心して働ける環境の整備を

 学校や幼稚園の休校・休園により、社員が休暇を取らざるを得ない事態の中で、中小企業は業務に大き な支障が出ている。小さな子どもを持つ働く親は、学童保育や保育園の体制が十分でないなどにより、安 心して働き続けられる環境が不十分である。学童保育や保育体制の拡充など、至急体制を確立すること。

10.正確な情報開示や基準等の明示による不安の払しょく

 先行きの見えない不安感が社会に広がる中、過剰な自粛ムードも生まれ、経済活動の委縮・縮小に拍車 がかかっている。政府・自治体による正確な情報開示と適切な発信を進めること。専門家の意見も参考に しながら、イベント・会合などの開催について、できるだけ明確な基準を示すこと。また定期的に政府方 針を発表することを明示し、企業経営の今後の見通しが立てやすいような形で情報を発信すること。

11.中小企業の声を緊急施策に反映すること

 国家の一大事でもあり、中小企業のひっ迫した状況と要望を把握するため、中小企業団体などから中小 企業の声を聴く機会を設けるとともに、施策情報の発信を綿密に行うこと。地方の状況に応じた柔軟な支 援施策を進めるため、中小企業団体も含めた幅広い分野の団体による連絡会議を定期的に開催し、地域の 総合力で危機を乗り切ることを支援すること。

《Ⅱ.経済対策、今後の対策》
1.国や地方自治体の地元中小企業への発注の増大

 地域経済・社会の担い手である中小企業を守るため、国や地方自治体は地元中小企業への発注を大幅に 増加させること。

2.消費税の減税・インボイスの導入見送り

 景気の大きな減退が予測される中、消費を喚起し、日本経済の立て直しを図っていくために、消費税減 税を行うこと。その際には、中小企業のレジ設定や料金表・ホームページ改訂など必要な対応を支援する こと。中小・小規模事業者の死活問題である適格請求書等保存方式(インボイス)の導入を見送ること。

3.国民の健康と安全を保護する体制の強化・拡充

 今般の新型コロナウイルス感染症の流行を教訓とし、米国の疾病対策センター(CDC)のような統一 的で機能的な組織を築くこと。また、医療・介護現場では、特に地方ほど慢性的な人員不足の中、今回の 感染症対策に取り組んでいる。平時から地域医療を強化し、緊急事態への備えを高めること。  

以上

中小企業家同友会全国協議会の概要 ・中小企業家同友会全国協議会[略称・中同協]は47都道府県にある中小企業家同友会の全国組織 ・創立:1957年4月、日本中小企業家同友会(現東京中小企業家同友会)として東京で創立 ・全国協議会設立:1969年11月 ・会員数:全国約4万8千名(企業経営者) ・会長:広浜泰久(㈱ヒロハマ) ・会員企業規模:平均従業員数約30名、平均資本金1,500万円 ・中小企業家同友会は「国民や地域と共に歩む中小企業」の立場から、経営者の自助努力による経営の安定・ 発展と、中小企業を取り巻く経営環境を改善することに努めています 

中小企業家同友会全国協議会(中同協): http://www.doyu.jp

新型コロナウイルスに関する第2次緊急要望・提言: https://www.doyu.jp/news/200331-161121.html

 

中小企業家同友会全国協議会(中同協)が会長談話2を発表しました

2020年4月2日

中小企業家同友会全国協議会(中同協)から会長談話2を掲載いたします。

【20.03.31】会長談話「長期化も想定して緊急に対応しよう」  ~一社もつぶさない!全会員に声かけを!~

1.会員のみなさんへ 一人で悩まないで、早急に経営計画の見直しを

 新型コロナウイルス感染拡大による「コロナショック」が全国に広がり、かつてない経済危機を迎えています。消費増税で悪化していた業績にコロナショックが重なり、どん底に叩き落された感触を持つ経営者も少なくありません。

 会員の皆さん、どのような状態に直面しても一人で悩まないでください。こんな時こそ不安なことや悩んでいることを仲間に相談しましょう。同友会の先達の知恵・実践に学ぶことが解決への早道です。事務局に、同友会役員に、ぜひ電話してください。

 東日本大震災や自然災害に直面して奮闘してきた会員は「何もなくなった時こそ、経営者が覚悟を決める時。社員とともに次に打って出るための『武器』をつくろう」と訴えています。

 今回のショックは、日本で感染が収束しても、世界規模での大きなダメージから長く経済が低迷することが想定されます。現状をしっかりつかんで、社員と共に単年度の経営計画を見直し、金融機関にも協力を求めましょう。地域を守れるのは私たち中小企業です。

 この危機的情勢に的確に対応するため、会員のみなさんに以下の行動を呼びかけます。

経営者としてすぐに手を打つべきこと

  困難な状況を打破する鍵は、まずは経営者として「絶対つぶさない、1人もやめさせない」と、経営改善に向けて覚悟を決めることです。現状認識を社内で一致させ、必要な情報の収集とすばやい行動、相談する仲間を持つことです。すぐに手を打ちましょう。

(1)早急な資金手当て 現段階から資金手当てを行うとともに、売上半減からゼロまで想定して少なくとも3カ月先までの損益計算書を作成し、対応を考えましょう。財務体質を強化し、月次で収支を合わせ、徹底した減量経営に取り組みましょう。

(2)危機感の社内共有 危機を乗り切るために、社員と共に経営計画の再構築・見直しと顧客作りに取り組みましょう。特に販売先を増やす取り組みをすすめましょう。

(3)会員間ネットワークの強化 会員間ネットワークの強化に取り組み、人材、商品・サービスやノウハウ、顧客・取引先情報などを相互に生かす取り組みをすすめましょう。

(4)全社一丸体制 社内で十分協議することでワークシェアも自主的に進められます。「中小企業における労使関係の見解」を読み返し、いまこそ全社一丸体制づくりに取り組みましょう。

(5)勇気を持って相談を 同友会を活用しましょう。一人で悩まず勇気をもって相談してください。まず事務局や支部の役員に一報して下さい。自社を守ることは地域を守ることです。1社で解決できない問題を共に解決していきましょう。

2.役員・事務局のみなさんへ 全会員に声をかけましょう!

  同友会の活動が大幅に制限されてはいますが、電話や情報ツールで会員一人ひとりに声をかけることはできます。コミュニケーションを密にして、1社も潰さない構えで会員の経営危機対応に全力で取り組みましょう。

(1)全会員に電話などで声をかけ、個別企業の現状をつかみ、励ましあいましょう。

(2)情報ツール(WEB会議)を積極的に活用し、経営課題や悩みを出し合える機会をつくり、お互いの知恵を出し合い、解決方向が見いだせる環境づくりをしましょう。

(3)さまざまな緊急施策が出されています。企業が取り組みやすいように、全ての施策と方法を分かりやすく広報していきましょう。

(4)専門家会員(税理士、会計士、弁護士等)の協力も得ながら、会として経営相談に応じられる体制をつくりましょう。

(5)地域経済・社会を守る取り組みを、自治体や金融機関、他団体にも呼びかけて進めましょう。

不安や悩みは尽きないと思いますが、経営者として覚悟を決め、絆を深め、共にこの危機を乗り切りましょう。経営者も社員、家族のみなさんも健康管理に一層ご留意ください。

2020年3月31日
中小企業家同友会全国協議会 会長 広浜 泰久

中小企業家同友会全国協議会(中同協)へ:http://www.doyu.jp

【20.03.31】会長談話へ:https://www.doyu.jp/news/200331-102850.html

 

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