初めは「掃除」は金儲けの手段でした（笑）

　初めは「掃除」が金儲けの手段だったんです（笑）。そんな言葉で近藤社長の話は始まりました。しかし2009年に経営指針を創る会を受講し、その考え方は大きく変わります。自分の業である「掃除とは何なんだろう？」を深く考えることに…。「自分の業の本質」を一から見つめ直すことで、地域･社会に
広く目を向け、「人々の豊かで安定した暮らし」を守るために、自社ができることは何か？が見えてきたそうです。　「そもそも掃除とは何ですか？」という私の問いに、近藤社長は次のように話を続けられました。

「生命」に大きく関わる掃除

「もしこの世から《掃除》という行為がなくなってしまったらどうなりますか？町中にゴミが溢れ、ばい菌が繁殖し、衛生が保てなくなる。そして体が弱い人から命を失うことに繋がる。不衛生なところでは病気が流行りやすいのです。だからこそ掃除（清掃）とは、衛生を管理して体の健康を保ち、命を守ること
に繋がっているのです。」これが一番目の役割です。

環境に大きく影響を受ける「心」

近藤社長は掃除の本質を追求していく中で、もう一つの役割に気付きます。それは掃除とは物理的にその場所をきれいにするだけではなく、そこにいる「人の精神」に大きく影響を与えるということです。掃除をするということは「精神の安定」に繋がる役割があり、その事例をかの有名なニューヨークの地下鉄落書き消しを基にお話されました。　「1980年代、ニューヨークでは、60万件以上の重犯罪が起きていました。市長のとった政策はニューヨークにある6,000台もの地下鉄車両の落書きを消すことでした。すると、驚くことに重犯罪が75％も減少したのです。」掃除の影響力を世界的な事例に触れながら深めることで、ポリッシュ・アップさんは、掃除の役割が物理的にその場所をきれいにすることだけではなく、そこに暮らす人の生命を守り、心をもきれいすることに繋がっていることにたどり着いたのです。

「掃除」についてお客さまに伝えよう！

　ポリッシュアップさんでは、お客さまの所に伺ったとき「掃除」について色々話すようにしているそうです。　「私たちは毎日お客さまの所で清掃することはできない。毎日がキレイであるためには、お客さまにも掃除をやってもらうことこそが重要です。掃除の工夫・掃除の効果など必要なことを細かくお伝えするようにしています。」という社長の発言に、同席していた近藤仁美さんは「仕事がなくなるんではないかというくらい話すんですよ、うちの社長は…。当時は心配でしたが、お客さまのことを考えてるからこそだな！と今は理解してますけど（笑）」と話されました。

本当の「きれい」とは？

　近藤社長は事業の本質に気づき、きれいを追求することで、もう一つ大きなことが見えて来ました。それは「掃除の技術が発達することで、使う洗剤が強力になり、清掃して建物がきれいになっても、地球を汚してしまっている」ということです。　「私たちは自然で生かされていることを忘れてはいけない。
環境負荷の低い洗剤を多く使い、建物も人も地球もきれいにする。またそういった洗剤を多くの人に提供することで、自然を守り未来へ繋げていくこと。それが我々の理念なんです。」と語られました。

理念から誕生した商品たち

　その会社の理念から生まれた商品が「とれるNo.1あきた便」。「米ぬか・麦ぬか・有益微生物」だけでできています。洗う時から汚れの分解を始めるので、環境にも負担をかけないとのこと。　また白ぬか効果を生かした入浴用化粧品「マイヨーク」と「白ぬかハンドソープ」も販売しているそうです。現在ではポリッシュ・アップさんの理念に共感し、取扱いを始めたり、紹介の場を設けてくれる企業の輪が少しずつ広がっています。興味のある方はぜひお問い合わせください。